スタッドリー・ローヤル・ウォーター・ガーデン Studley Royal Water Garden
ファウンテンズ・アビーから北西に流れるスケル川に沿ってスタッドリー・ローヤル・ウォーター・ガーデンがある。アビーとガーデンを合わせて世界遺産である。
1693年にエステートを相続したジョン・エズラビー(John Aislabie)はイギリスの大蔵大臣まで務めたが、公職を追放され、
1718年からこのウォーター・ガーデンをライフワークとして造成した。
ジョンの死後は息子のウィリアム(William)が修道院の廃墟を買い取るなどして父の仕事を拡張したのだ。
ジョンはフランスの影響を受け整形式のガーデンを造ったのに対し、ウィリアムは当時イギリスで流行した風景式庭園のスタイルを取り入れたという。
ジョンが設計したフォーマルで幾何学的なデザインのガーデンが写真上下の中2枚に見られる。橋の下から流れ落ちるカスケードに始まる運河(Canal 写真上左から2枚目)が
両岸をスフィンクスがガードする地点で再びカスケードとなり(写真上右から2枚目)、その先に壮大なデザインのウォーター・ガーデンが展開する。
左岸はヘラクレスとアンタイオス(Hercules and Antaeus)の闘う像(写真上左)に始まり、小さなバンケット・ハウス(The Banqueting House)があったり、
半円形の池がありその縁にもう一つの闘う像(写真上右、下左から2枚目)が見られる。
その先の手摺りもない狭い板橋を渡って右岸を戻ると、大きな三日月型(crescent moon)の池の中央に満月型(full moon)の池を組み込んだ"Moon Pools"が見えてくる(写真下右から2枚目)。
満月型の池の中央にはネプチューン像(Neptune)、その両サイドにバッカス像(Bacchus 写真下左)と
ガレノス像(Galen 写真下右)が凛として立つ。写真下右から2枚目の池の中に小さく写っているのがネプチューン像、その奥の建造物はテンプル"Temple of Piety"だ。
このテンプルはジョンにより1730年に当時ヨーロッパで流行した"neo -Classicism"に則りデザインしたもので、彼の死後ウィリアムにより再設計されたものだという。
下左の写真の風景は”自然の中に静かに佇む修道院廃墟”に見えるが、”自然のまま”ではなく息子ウィリアムが”自然らしく”造ったガーデンなのだ。
ウィリアムはファウンテンアビーの廃墟とホールも買収しガーデンを広げたのだが、父ジョンの造ったガーデンを大切に保存しつつ、
時代に即したガーデン造りをしたことが窺える。谷を開き造られたであろうウッドランドの散策路にはリスの可愛い姿が見られる。
2時間の滞在ではステンドグラスが美しいと聞く"St Mary's Church"まで見ることはできない。それでも18時までオープンはありがたい。
時間ぎりぎりゲートを出たが、パーキングにはまだ車が沢山あった。帰路"Church"と"Obelisk"を見通せる場所があった。
Address | Fountains, Ripon, HG4 3DY |
Telephone | 01765 608888 |
Web Site | Studley Royal Water Garden |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。